スチールラックのキタジマ トップ ＞ スチールラック コラム トップ＞ 2024年5月コラム＞ 2024.05.31

スチールラックにはどんな歴史がある？メタルラックとの違いなど、
スチールラックの豆知識について解説

スチールラックにはどんな歴史がある？
メタルラックとの違いなど、スチールラックの豆知識について解説

さまざまなシーンで活用されているスチールラックですが、詳しい仕様や歴史について知らないという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、スチールラックの歴史やメタルラックとの違いなど、スチールラックに関する豆知識について紹介します。

■スチールラックが登場した背景とは

スチールラックが登場した背景には、どのような要素があったのでしょうか。以下で詳しく紹介します。

・明治時代に鋼鉄を生産する技術が大幅に向上した
スチールラックの登場には、まず鋼鉄の生産技術が大幅に向上したことが大きく関わっています。明治時代の中盤から終盤にかけて、鋼鉄の生産技術が大幅に向上した結果、高品質で耐久性のある鋼鉄を大量生産することが可能になりました。

・初期のスチールラックの特徴
頑丈なだけでなく柔軟性も兼ね備えた鋼鉄を使用することで、この時期に初めて登場したのが初期のスチールラックです。これらのスチールラックは、鋼鉄のフレームに木製の棚板を組み合わせたシンプルなデザインで、主に倉庫や工場での収納に使用されていました。鋼鉄の高い耐久性のおかげで、製品の製造や保管において、スチールラックによるはるかに効果的で機能的な収納が可能になりました。

・鋼鉄の進化がもたらしたものとは？
上記のような19世紀の鋼鉄の進化は、スチールラックを含む多くの革新的な技術や産業の発展に貢献しました。実際に、鋼鉄は建築や交通、製造業などのさまざまな分野で幅広く活用されるようになり、現代の産業社会を支える重要な要素の一つとなっています。

■スチールラックはどのように一般層に認知されていった？

鉄鋼の生産技術が向上しスチールラックが登場した後、スチールラックはどのように一般層にまで浸透していったのでしょうか。以下で詳しく紹介します。

・スチールラックが普及した理由
スチールラックは機械部品や重い荷物を効率的かつ安全に保管できるため、多くの産業で広く導入されました。スチールラックの導入により工場では製品の管理がしやすくなり、生産性が向上したほか、倉庫業界では商品の整理と保管能力が向上し、物流にも好影響を与えました。

・小売業や家庭用途としても活用されはじめた
スチールラックは工業や物流だけでなく、小売業にも活用の場を拡げるようになります。商品の陳列や販売スペースの整理にスチールラックを用いることで、店舗内の商品が見やすくなり、買い物のしやすさが向上しました。このようにして、スチールラックは消費者の目にも広く触れるようになり、日常生活の場でも活躍の場を広げていきます。大正時代の後半には、ついにスチールラックが家庭用途にも普及しました。物品の整理整頓が容易になり、スチールラックは一般の人々にも親しまれるようになりました。

・機能性だけでなくデザイン性も発展
スチールラックのデザインにおいて、長い間重視されてきた要素が「頑丈さ」と「機能性」です。しかし、時代とともにスチールラックのデザインに「美しさ」も併せて求められるようになりました。この進化により、スチールラックはデザイン性が求められる分野でも使用されるようになり、産業用途だけのアイテムではなくなりました。

■スチールラックの需要が急増した背景とは

大正から昭和にかけて、第二次世界大戦が始まると、軍需産業においてスチールラックは大量の物資を保管するための必要不可欠なアイテムとなりました。
戦後には、スチールラックが持つ多様性や柔軟性、耐久性が評価され、需要がさらに拡大しました。戦後の経済の復興と成長に伴い、新たな産業分野が台頭し、民間部門におけるスチールラックの需要が急増していったのです。
そして、スチールラックは倉庫や工場での物品保管だけでなく、小売店、オフィス、家庭での整理整頓など、さまざまな環境で利用されるようになりました。戦後の経済復興において、企業活動や組織運営にとって重要な製品や物品の収納問題を解決したことで、スチールラックは重宝され、高い評価を得ました。

■スチールラックはどのような場所で活用されている？

以下では、スチールラックが主にどのような場所で活用されているのかについて紹介します。

・倉庫や物流センター
スチールラックのメリットとして、高い耐荷重性とスペースを効率的に利用できることが挙げられます。商品や資材を効果的に保管できることから、在庫管理がスムーズになり、物流プロセスの効率化にも大きく貢献しています。

・医療機関や農業分野
スチールラックは工場や製造業で部品や製品の保管に使用されるだけでなく、医療機関や農業分野でも使用されています。主な用途としては、医薬品や医療機器の保管、農産物の収納などです。このように、スチールラックはさまざまな産業で使用されています。

・小売業
小売業では、スチールラックは商品の陳列や保管に広く使用されており、店内の見栄えにも影響を与えています。高い耐久性を持ち、多くの商品を整然と陳列できるだけでなく、棚板の高さを調整できるため、季節やニーズに応じて陳列方法を柔軟に変更できることも、大きなメリットです。

・オフィス
スチールラックは、一般企業のオフィスの文具や書類を整理するためにも利用されています。デザインの多様性とカスタマイズができる特徴から、オフィスの環境ごとに適した仕様を選択ができるため、活躍できる環境の幅が広いことも、オフィスで重宝されている要素です。

・家庭
スチールラックは、家庭でもさまざまな場面で役立っています。代表的な使用場所は以下の通りです。
  ●ガレージ
  ●書斎
  ●キッチン
  ●クローゼット

食品や書籍のほか、ツール、ホビー用具など、多様なアイテムを整理することができるため、スタイリッシュな生活を目指す方には特に重宝されます。

■業務用スチールラックと家庭用スチールラックの違いとは？

スチールラックには業務用と家庭用がありますが、どのような点に違いがあるのか、以下で詳しく解説します。

・構造の違い
家庭用ラックと業務用スチールラックは構造が非常に似ていますが、いくつかの特徴に違いがあります。家庭用ラックは一般的に小型で、インテリアに合わせたデザインが多く、重い物の収納にはあまり向いていません。また、カラーバリエーションやサイズが豊富で、インテリアとしての用途にも適しています。さらに、ネジやボルトの数が少ないタイプは簡単に組み立てられるというメリットもあります。

・耐荷重の違い
家庭用スチールラックは、支柱や棚板の厚みや幅を抑え、業務用に比べて自重が軽い傾向があります。これは一般家庭で重い家具を使うと、床材に窪みができるなど、家を傷める原因になるからです。家庭用ラックの耐荷重は100kgまでのタイプが一般的ですが、業務用スチールラックは、ある程度の強度を確保しなければならないため、重い物を支えられる厚みのある鉄板の棚板が使用されます。業務用スチールラックは、最大で5,000kgまで耐えることができます。

・転倒防止策の違い
家庭用スチールラックの転倒防止策として一般的なのは、ツッパリ棒を取り付ける方法です。対して、業務用スチールラックにはさまざまな転倒防止策があります。例としては、支柱と床を金具で固定する方法や、転倒防止ベースを前方の2本の支柱の下に取り付け、前に倒れるのを防ぐ方法などがあります。これらの方法に加えて、壁面に固定するタイプの転倒防止材を組み合わせることで、高い安全性を確保することも可能です。

■スチールラックとメタルラックの違いとは？

スチールラックとよく似たものに、メタルラックがあります。以下では、スチールラックとメタルラックの違いについて紹介します。

・スチールラックとは
スチールラックは、一般的にメタルラックと同義語として使用されますが、ワイヤータイプのものをメタルラック、一枚板のものをスチールラックと呼ぶ傾向があるようです。業務用スチールラックは耐荷重性や耐久性に優れており、耐震性も備えているため、「高性能業務用スチールラック」として倉庫や工場、医療機関、企業、教育機関など様々な現場で重宝されています。

・メタルラックとは
「メタルラック」という通称は、アイリスオーヤマ株式会社が商標登録をしている製品名です。メタルラックの素材にはアルミやステンレスが多く使われており、鉄以外の金属で作られているために「メタルラック」と呼ばれると思われる方も多いかもしれません。また、他のメーカーによっては「ワイヤーシェルフ」や「メタル製ラック」などの呼び方を使用している場合もありますが、これもメーカー独自のブランド名であることがほとんどです。

・両者の違い
スチールラックとメタルラックは、名前による違いはありません。しかし、製品の仕様に関して、以下の2点が違いとして挙げられます。

＜棚板＞
メタルラックの棚材は通常、ワイヤーで作られていることが一般的です。一方、業務用ラックでは1枚の大きな板状の金属が使用されることがほとんどです。家庭用ラックは軽量である一方、業務用スチールラックは重量があり、その分頑丈で耐久性が高い特徴があります。また、業務用スチールラックはさまざまなサイズや耐荷重に対応しており、用途やニーズに応じて選択することができます。

＜支柱＞
メタルラックの支柱は一般的に筒状のものが主流です。一方、業務用スチールラックの支柱はL字型やC字型になっており、耐久性や強度が高くなっていることが特徴です。

■まとめ

スチールラックは、明治時代から現代までさまざまな場面で使用されており、企業だけでなく家庭にも活躍の幅を拡げています。耐久性や利便性を兼ね備えたスチールラックは、収納や整理整頓を行なえるツールとして、今後も多くの企業や家庭で利用されていくことでしょう。キタジマでは、お客様のご要望に合わせて最適なスチールラックを提供しています。スチールラックをお探しの方は、ぜひ一度キタジマまでお問い合わせください。