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スチールラックのキタジマ トップスチールラック コラム トップ2024年8月コラム2024.08.30

スチールラック 種類 選び方 ばらし方

スチールラックとは?
種類・選び方・ばらし方など活用の基礎知識を解説

スチールラックとは?種類・選び方・ばらし方など活用の基礎知識を解説

スチールラックは強度や汎用性に優れ、業務でも家庭でも、さまざまな場面で活用できる収納アイテムです。
今回は、スチールラックの種類や選び方、用途、ばらし方、捨て方など、スチールラックを活用するための基礎知識をまとめて紹介します。

スチールラック 業務用 家庭用 スチール メタル

■スチールラックとは?業務用と家庭用、スチールとメタルの違い

スチールラックとは、鉄に炭素を混ぜた合金素材(スチール)で作られたラック(棚)のことです。
スチールラックの種類には大きく分けて業務用と家庭用があり、作りがかなり違います。
販売サイトなどでは「メタルラック」と呼ばれる商品も見かけますが、これは基本的にスチールラックの一種と考えられます。
業務用スチールラックを家庭で(家庭用スチールラックを業務で)使うことも可能で、相応のメリットがあります。

・業務用スチールラックと家庭用スチールラックの違い
業務用スチールラックは頑丈さや耐荷重(載せられる最大の重さ)、安定性、メンテナンスのしやすさ、拡張性、耐震性などを重視して作られており、その分値段は高めです。 家庭用スチールラックは、設置の手軽さや価格、カラーバリエーションなどに重点が置かれていて、その他の点はある程度犠牲にされています。

それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。

     
  業務用   家庭用
棚板の形状
板状(スチールや木の板)が主流 軽量化のため、網目状の棚板(太いワイヤーを編んだもの)が主流
ラック自体の重さ
重め 軽め
1段あたりの耐荷重
120kg〜2,000kgくらい 50kg〜150kgくらい
支柱の形状
L字型やコの字型 ポール状が主流
メリット
サイズのバリエーションや耐荷重の幅が広い
小さな物も大きな物も安定して載せられる
ラック自体が重いのでグラグラしにくい
掃除がしやすい
横に連結できるタイプ(増連型)もあり、支柱やスペースを節約して設置可能
地震対策のオプションが豊富で、高い耐震性も実現可能
頑丈なキャスターにより安定した移動が可能
値段が手頃
軽いので扱いやすい
動かしやすく、レイアウト変更がしやすい
カラーバリエーションが豊富
解体しやすい
デメリット
値段が高め
重いので扱いにくい
キャスター付きでないと動かしにくい
カラーが限られる
大きいものは解体が大変
網の間から小物が落ちる
載せる物によっては網状の跡がつく
隙間にゴミがたまりやすい上に、掃除しにくい
あまり重い物は載せられない
ラック自体が軽いのでグラグラしやすい
ポール状の支柱では棚の連結が不可能
地震対策は突っ張り棒などに限られる
キャスター付きもあるが、移動は危なっかしい


・スチールラックとメタルラックの違い
「メタルラック」は、アイリスオーヤマ株式会社が販売する金属製ラックの登録商標です。
同社の「メタルラック」はどれも家庭用のスチール製ラックなので、「メタルラック=家庭用スチールラックの一種(アイリスオーヤマ製品)」ということになります。
日本で金属製のラックに「メタルラック」という名前を付けて販売できるのはアイリスオーヤマだけのはずですが、実際には、通販サイトなどでアイリスオーヤマ以外の製品にも「メタルラック」という名称が使われていることがあります。 そのため、「メタルラック=(家庭用)スチールラックの別名」と考える人や、「どう違うのか?」と疑問に思う人が多いようです。
通常は、違いを気にせず同じものと考えても問題ありません。

・業務用スチールラックを家庭のインテリアで使うメリット
業務用スチールラックはサイズや組み合わせが豊富なので、適切なものを選べば家庭でも十分に活用できます。また、業務用メーカーが業務用ラックの特徴を活かしながら家庭向けに作った製品もあります。 業務用スチールラックや業務用メーカーのラックを家庭で使うことには、以下のようなメリットがあります。

    ●大量の本や大型のアウトドア用品、DIYの機械・工具類など、重い物も収容できる
    ●サイズや耐荷重などのバリエーションが豊富で、自分にぴったりのものをチョイスできる
    ●無機質・無骨なかっこよさやレトロ感があり、おしゃれなインテリアにもなる
    ●地震に強い

・家庭用スチールラックを業務用に使うのはあり?
オフィスや事務所などで軽めのものを少量収納するために使うのであれば、家庭用スチールラックでも十分な場合があります。 家庭用スチールラックは安価なので、コスト削減に役立つでしょう。

スチールラック 選び方 用途

■スチールラックの選び方と用途

スチールラックには、サイズ、耐荷重、形状などが異なる多種多様な製品があります。
ここでは、スチールラックを選ぶ際の基本的な着眼点を紹介し、どんなラックがどんな用途に向いているかを解説します。

・サイズ
設置場所や収納したい物に合わせて、全体のサイズと1段ごとのサイズを検討します。
サイズは幅(W)、奥行き(D)、高さ(H)で表します。
設置場所に関しては、全体のサイズが重要です。奥行きは盲点になりがちなので注意してください。「設置してみたら予想以上に奥行きがあって空間が圧迫され、作業がしにくくなってしまった」といったケースが少なくありません。
収納の面では、全体のサイズと1段ごとのサイズの両方が重要です。
1段ごとのサイズは、収納物の体積よりも少し余裕を見て選ぶ必要があります。物が隙間なくぴっちり収まるようなサイズ感では、出し入れの際に手や物がつかえてしまったり、ぶつけて荷崩れを起こしてしまったりします。 適切な隙間を開けて物を収めることを想定して収納力を測り、ラック全体のサイズを選びます。

・耐荷重(棚板1枚あたり・ラック1台あたり)
スチールラックの商品名や商品説明にある「耐荷重」とは、棚板1枚あたり(1段あたり)の耐荷重を指します。正確に言うと、「棚板に物を均等に載せたときの耐荷重」です。 例えば耐荷重100kgの場合、20kgの物を5個、棚板の端から端まで均等に載せれば、耐えられます。しかし、中央にまとめて載せると、棚板が重さに耐えられずに真ん中がへこんでしまう恐れがあります。 棚板の段数が多いラックでは、1台あたりの耐荷重(総耐荷重)にも注意が必要です。例えば「1段あたりの耐荷重100kg、総耐荷重600kg」というラックの場合、棚板6段までなら1段あたりの耐荷重だけ考慮すれば十分ですが、7段以上になると総耐荷重も考えて物を載せる必要があります(1段に100kgずつ載せると全部で700kgになり、総耐荷重を超えてしまいます)。 全段に載せた物の合計重量が総耐荷重を超えると、支柱が破損したり棚が倒れたりする恐れがあります。 以上の点に注意して、耐荷重に余裕のあるラックを選ぶことが重要です。

・形状
以下のような形状のラックがあります。

形状
特徴 用途
一般的な棚の形
耐荷重により「軽量棚」「軽中量棚」「中量棚」
「中重量棚」「重量棚」に分けられる
耐荷重・サイズに応じて業務・家庭のさまざまな用途に
キャスター付きラック
支柱の下に初めからキャスターが付いたタイプ(中量棚〜重量棚に多い) 頻繁にラックの移動・レイアウト変更を行う店舗や工場など
アングル棚
シンプルな部材を自由に組み合わせて組むラックで、無機質かつ統一的なデザインも特徴 オフィスの書類棚、小売店舗・飲食店バックヤード、工場倉庫など デザインを活かし、アパレル什器や家庭インテリアに
スチール書架
本やファイルの収納に適した、奥行きの浅い多段ラック 図書館、学校、オフィス、家庭など
バーラック
バー状のものを載せるのに適したラックで、棚板がなく、支柱から伸びたアームで物を支える 長尺の木材・鋼材・パイプ類の保管や展示
パレットラック
パレットに積んだ物をフォークリフトで運んでそのまま載せられるようになっているラック 物流・卸売業の倉庫や工場など

家庭用ラックでは、一般的な形状のほか、服が掛けられるラック(ハンガーラック)や、洗濯機・冷蔵庫の上に設置するのに適したラックなどがあります。

・組み立て方
業務用スチールラックの組み立て方法には2種類あります。

種類
組み立て方 特徴
ボルト式ラック
支柱や棚板をボトルでとめる 揺れにくく安定性が高い
組み立てには時間と手間がかかり、ある程度握力や慣れが必要
ボルトレスラック
部材のツメを支柱の穴にはめ込む ボルト式よりも揺れやすい
組み立てが容易で、棚板の位置の変更もしやすい


・オプションパーツ
業務用スチールラックには以下のような豊富なオプションパーツがあり、設置場所や目的に合わせて追加できます。

    ●追加の棚板・棚受や木製の棚板
    ●キャスター(軽量〜軽中量棚用)
    ●支柱の段差を調整するアジャスター
    ●ラックの前面にかけるビニールカバー・カーテンレール
    ●仕切り板・バスケット
    ●落下防止ベルト
    ●ケガ防止のコーナークッション
    ●転倒防止用・耐震用の補強金具、壁固定金具、ガムロック(強粘着固定具)

スチールラック 解体 ばらし方

■スチールラックのばらし方と処分方法

棚板の高さを変えたり、スチールラックを処分したりする際には、ラックの一部や全体をばらす必要があります。ばらし方には少々コツがいります。
スチールラックを処分する場合は、自治体のルールや法律(廃棄物処理法など)に従って処理します。

・家庭用スチールラックのばらし方(棚板を外すコツ)
家庭用スチールラックの場合、ポール状の支柱にスリーブと呼ばれる部品を装着し、棚板の四隅の穴に支柱を押し込んで組み立てるタイプが一般的です。 組み立てるのは比較的簡単ですが、支柱のスリーブが棚板の穴にしっかりはまり込んでしまうため、棚板を手で引っ張ってもなかなか外れず、苦労します。
以下のようにするのがコツです。

    ●棚板の中央を手で支えながら四隅の穴の近くをゴムハンマーで下から軽く叩いて、棚板を少しずつ浮き上がらせる
    ●このとき、棚板がなるべく均等に(平行を保ったまま)浮き上がるように、四隅を順番に叩いていく
    ●四隅ともいい具合に浮き上がったら、両手で棚板をつかみまっすぐ引っ張り上げる
    ●最上段から始め、最下段の棚板が下から叩けない場合はラックを横に倒して叩く

金属のハンマーで叩くと部材がゆがんだり破損したりする恐れがあるため、ラックを捨てる場合を除きおすすめできません。また、金属のハンマーで叩くとかなり大きな音がするので、時間帯や場所を選びます。

・業務用スチールラックのばらし方
ボルト式ラックの場合、組み立てとは逆の順番でボルトを外していきます。
ボルトレスラックの場合、部材が支柱の穴にはまり込み、手で引っ張り上げでもなかなか取れない場合があります。
そのときは、家庭用スチールラックと同じようにゴムハンマーで部材を下から叩いて取り外します。叩いてもなかなか外れない場合、部材と支柱の間に潤滑油をさすと外れやすくなります。

・スチールラックの処分方法
スチールラックの処分には以下のような方法があります。

    ●状態がよければ、リユース業者などに売却
    ●家庭で用いているラックを廃棄する場合、自治体ごとのルールに従い、
      小さなものは不燃ゴミや資源ゴミ、大きなものは粗大ゴミとして捨てる
    ●業務で用いているラックを廃棄する場合、廃棄物処理法に基づき、
      産業廃棄物処理業者に回収を依頼するか、産業廃棄物処理場に持ち込む


■まとめ

スチールラックには業務用と家庭用があり、質実剛健でサイズや耐荷重、形状のバリエーションが豊富な業務用ラックは、業務でも家庭でもさまざまに活用できます。無機質でレトロ感のあるデザインが、家庭や小売店、飲食店などのインテリアにマッチすることもあります。 業務用では大きすぎる・重すぎるという場合は、業務用メーカーが家庭向けに作った製品がおすすめです。 組み立てや棚板の移動、解体などをなるべく手軽に行いたいという方は、ボルトレスラックを選択するとよいでしょう。