物流・倉庫ラック
 

スチールラックのキタジマ トップ ＞ スチールラック コラム トップ＞ 2024年3月コラム＞ 2024.03.29

スチールラック　棚　棚卸し ピッキング

倉庫の棚卸しに適したスチールラックとは？棚卸しの種類についても紹介

倉庫の棚卸しに適したスチールラックとは？
棚卸しの種類についても紹介

倉庫内の棚卸しでは、保管する商品や材料などに適したスチールラックを使うことで、作業動線が改善されたり整理整頓がしやすくなったりと、作業効率が上がります。 棚卸しは、事業を運営するにあたって、資産の把握や在庫状況の確認のための重要な作業です。

今回は、倉庫の棚卸しに適したスチールラックと棚卸しの種類についても紹介します。

スチールラック　棚卸　棚卸し

■棚卸しとは？

まずは、棚卸しとはどのような作業なのかを解説します。

・棚卸しの作業内容
棚卸しの作業内容は、仕入れた商品や材料の状態・数量を確認して、帳簿に記録されている数字と一致するか照らし合わせていく作業です。在庫数を把握し効率よく循環させることで、損失を防ぐ仕組みになっており、品質を保証する重要な役割も持っています。

また、棚卸しによって、在庫数量がどれだけの金額に相当するかを把握したり、在庫商品の資産価値を算出したりすることも可能です。

・棚卸しの対象品目
棚卸しの対象品目は以下の7つです。

  ●商品（販売可能な状態のもの）
  ●半製品（完成しているが、まだ販売できないもの）
  ●仕掛品（製造中でまだ販売ができないもの）
  ●仕損品（製造中に破損したが、原材料として販売価値のあるもの）
  ●副産物（製造中に生じた資材くずなど販売価値のあるもの）
  ●原材料、部品（商品を製造するために必要な材料）
  ●消耗品、備品（製造過程で必要なもの）

棚卸し作業では、商品を販売するまでの過程で必要なものは資産として扱うため、消耗品や備品も棚卸しの対象になります。

・棚卸しはいつ行う？
棚卸しは、年に1回行うのが一般的です。会計年度の「期首」または「期末」に実施します。
ケース別の実施時期についての詳細は、以下の通りです。

  期末に実施   棚卸資産として決算書に記載する場合
  12月に実施   1月1日から12月31日までを会計年度としている場合
  半期、四半期など年に数回実施   より正確な在庫管理をする場合


スチールラック 目的

■棚卸しを行う目的

棚卸しを行う目的は、大きく3つに分けられます。以下では、棚卸しを行う目的について紹介します。

・経営の健全性を保つ
倉庫内の在庫は企業にとってすべて資産であるため、健全な経営のためには、どれだけの資産が倉庫に残っているのかを正確に把握しなければなりません。 また、経理上では以下の計算式を使って利益を算出し、決算書に明記する必要があります。

【計算式】売上‐売上原価＝利益
この計算に必要なのが、「売上原価」です。「売上原価」は以下の計算式で算出します。

【計算式】売上原価＝期首商品棚卸高＋当期商品仕入高‐期末商品棚卸高
棚卸しを行い売上原価を算出することで、資産の状態を把握でき、経営の健全性を保つことに寄与します。

・在庫管理の課題と改善点を洗いだす
倉庫内の正確な在庫数を把握することは、棚卸しの目的の1つです。
倉庫内では破損や紛失、盗難被害などが起こり得るため、実在庫数と帳簿上の在庫数が一致するとは限りません。棚卸しの結果を基に、上記のようなトラブルの原因を把握することで、日頃の在庫管理業務の課題が明らかになり、見直しや改善につながります。 また、棚卸しを実施することで、保管効率や適正在庫を確認できるほか、長期保管商品の配置などの倉庫内レイアウトを見直す際にも役に立ちます。

・販売機会の損失を防ぐ
棚卸しによる適切な在庫管理は、販売機会の損失を防ぐことにも役立ちます。

「受注したにもかかわらず、実在庫がなかった」「在庫商品に破損があり出荷できない」といったトラブルを発生させないためにも、棚卸しは重要です。 また、「滞留在庫（売れ残り商品）」や「不良在庫（不人気や低品質のため残った商品）」を棚卸しによって明らかにできます。商品の動きや品質状態を把握できれば、最良の販売機会を計れるでしょう。

スチールラック　種類

■棚卸しの種類

棚卸しは、主に5つの種類に分けられます。以下でそれぞれ紹介します。

・帳簿棚卸し
在庫帳簿や専用ソフトなどを活用し、在庫の確認を毎回行うタイプの棚卸しを、帳簿棚卸しといいます。
入出庫を都度記録するため、棚卸しに関してまとまった作業時間が不要なことがメリットです。デメリットとしては、入庫から出庫までの在庫変動が確認できなかったり、売上に関わるため管理者にとっては重責になったりすることが挙げられます。

・実地棚卸し
実地棚卸しは「棚卸し」のイメージの通り、倉庫内にある商品をすべて数えて記録していく種類の棚卸しです。
時間と手間がかかる作業のため、期末などの一定の時期で実地棚卸しを行なって、正確な在庫数を把握します。

・リスト方式
リスト方式は、あらかじめ在庫管理表などのリストを用意して、実際の在庫数と照合して確認する方法です。 記録されている数字と実在庫数が一致するかを確認し、ズレがあれば、実在庫数をリストに記入します。 在庫管理リストとの照合のため、手間があまりかからないのがメリットです。

デメリットとしては、リストに載っていない商品があった場合の対処法を、事前に用意しておくのが必要なことが挙げられます。 また、人間の目視による方法のため、数え間違いなどが起こりやすいことも、デメリットの1つです。

・タグ方式
タグ方式は、実地棚卸しの際に作業担当者が「棚札」と呼ばれる連番タグを、棚などに貼り付けていくカウント方法です。「棚札」にはチェックした商品の品目や数量、担当者名を記入します。実地棚卸しの最後に、すべてのタグを回収して集計します。タグ方式のメリットは、カウントし終えた商品にはタグが残るため、棚卸しの漏れや重複を防げることです。
対してデメリットには、手間がかかることのほか、人間の目視によるカウントのため数え間違う可能性があることが挙げられます。

・バーコード方式
実地棚卸しの際に、商品や棚に貼り付けられたバーコードを、ハンディターミナルでスキャンすることでカウントする方法です。 商品をカウントする手間はかかりますが、正確に商品をカウントすることができるため、集計時の業務を省略できます。 また、商品をひとつずつスキャンするだけで種類・数量・所在がデータとして蓄積されるという特長も、正確な商品のカウントに貢献します。

スチールラック　ポイント

■棚卸しを行う際のポイント

以下では、棚卸しを行う際のポイントについて3つ紹介します。

・適切な棚卸しの方法を選ぶ
実地棚卸しには「一斉棚卸し」と「循環棚卸し」の2種類があります。 一斉棚卸しは、すべての入出庫を完全にストップして、倉庫内の在庫を全部カウントする方法のことです。
一方、循環棚卸しは、一度に行うのではなく、在庫の種類や場所・作業日時を分けて棚卸しを行う方法を指します。 それぞれの特徴について把握し、適切な方法を選ぶことで、棚卸しの効果を最大限に享受できるでしょう。

・ツールを導入する
ハンディターミナルでバーコードを読み取り、カウントするバーコード方式では、データ集計が自動化されているため、棚卸しの手間が省けます。また、ICタグで商品を管理する場合では、スキャンするために商品を動かす必要がなく、データを一括で読み込むことができます。 また、棚卸し作業の人員確保や時間の制約が課題の場合は、専門の棚卸し業者に依頼する方法も検討するとよいでしょう。

・在庫の所在を明確にしておく
棚卸しの際には、管轄外の在庫品や棚卸し対象外の商品が混在している場合があります。 また、修理などで一時的にない商品や、スペースの問題で一部だけ別の場所に保管されている在庫は、数え漏れが発生しやすくなります。 日頃から整理整頓を行い、見取り図を作成して在庫の所在を明確にしておくことは、棚卸しの効率だけでなく、在庫管理の効率向上にもつながるポイントです。

スチールラック　在庫管理　倉庫

■棚卸しや倉庫の在庫管理に向いているスチールラックとは？

倉庫内の在庫の保管にスチールラックを活用することで、棚卸しや在庫管理をより効率的に行うことができます。
以下では、棚卸しや倉庫の在庫管理に向いているスチールラックの特徴を紹介します。

・大型ラック
棚卸しの際は、在庫品が1か所にまとまっている状態が理想的です。 大型のスチールラックであれば、場所を移動せずに在庫を一気にカウントできるため、カウント漏れや類似品との見間違いなどの人為的なミスを防げます。 大型スチールラックを選ぶ場合は、奥行きが60cm以上あるものであればコンテナボックスを縦に収めることが可能です。縦に並べてラベリングするとさらに見分けやすくなり、整理しやすくなるでしょう。

・安定しているラック
多数の在庫を収納するためには、安定性の高いスチールラックが必須です。 業務用スチールラックの棚板は、1枚あたりの耐荷重が100〜500�圓班�があります。収納する在庫の種類や重さを考慮して、耐荷重が十分あるものを選びましょう。 耐荷重が十分でないスチールラックを選んでしまった場合、在庫数が増えるたびに置き場所の変更が必要となり、管理の負担が増えます。 また、業務用スチールラックを設置する際は、転倒防止のためにラックの上部と天井との間に突っ張りポールを設置すると、さらに安定性を強化できます。

・移動式ラック
移動式ラックとは、床に設置したレールに沿って、スチールラックをスライド移動させられる収納設備のことです。 移動式ラックは倉庫内の狭い空間でも設置が可能なため、スチールラックの保管効率を最大限に高められます。

ただし、移動式スチールラックを設置する際には、在庫の出し入れや棚卸しの際に作業員が通れるスペースを確保することが必要です。 作業員が入りにくい設置の仕方では管理が疎かになりやすいため、日頃の動線を意識し、在庫管理をスムーズに行えるように設置しましょう。

■まとめ

棚卸しは倉庫内の在庫数量を確認するだけでなく、資産の把握につながる重要な作業です。 収納する在庫品に合ったスチールラックを選ぶことで、棚卸し作業がスムーズにでき、日々の在庫管理の効率化にもつながります。 スチールラックは耐荷重や収納する物の種類、倉庫のスペースを考慮して選びましょう。