スチールラックのキタジマ トップ > スチールラック コラム トップ> 2021年コラム一覧> 2021年11月コラム> 2021.11.15
耐震性は大丈夫?業務用スチールラックの地震対策をしよう!
耐震性は大丈夫?業務用スチールラックの地震対策をしよう!
学校や工場、医療機関、オフィスなどさまざまなところで業務用スチールラックが使われています。業務用スチールラックには重たいものを載せることもあるため、地震対策を怠ると重大な事故につながりかねません。
今回は業務用スチールラックでできる地震対策についてご紹介しますので、耐震性に不安がある方はぜひご一読ください。
■地震対策の必要性
日本は地震大国と言われるほど地震が多い国です。地震発生回数の割合は、全世界の18.5%と極めて高く、近い将来には南海トラフ地震や首都直下型地震が発生するとも言われています。以下では、地震対策の必要性について詳しく解説します。
・企業が地震対策をすべき理由
企業が地震対策をすべき理由は、自社の災害リスクを軽減し、従業員の安全を確保するためです。企業には労働契約法第5条の安全配慮義務が課せられており、災害対策を怠っていたことが原因で従業員が負傷した場合は、安全配慮義務違反として損害賠償金の支払いが命じられます。
災害時の救護活動や災害後の経済活動を円滑に行えるよう、今のうちから地震対策を行いましょう。
・倉庫やオフィスの地震対策の普及率
倉庫やオフィスの地震対策の普及率は大企業が6割強なのに対して、中小企業は3割強にとどまっています。
地震対策をしている企業としていない企業とでは被害の規模が大きく異なり、対策をしていない企業は被害規模が大きくなるだけではなく、原状回復にも時間がかかります。被害が大きすぎると廃業するリスクも高まるため、今一度自社の安全性を見直しましょう。
・特に倉庫は注意が必要
特に倉庫は背の高い棚や重い荷物などが多いため、注意が必要です。
家具やラック類の転倒による死傷者数は非常に多く、阪神淡路大震災では倉庫や工場での被害が7割ほど出ています。
・近年の地震傾向
近年、地震の発生回数は増加傾向にあると言われています。
1990年代以降は震度6以上の大きな地震も複数回発生しており、近い将来に巨大地震の発生リスクも予測されています。
■業務用スチールラックの地震対策
倉庫やオフィスに業務用スチールラックがある場合、以下で紹介する方法を行うと地震対策が可能です。どれも簡単にできる対策のため、まだ地震対策をしていない場合はぜひ参考にしてみてください。
・代表的な地震対策は天つなぎ
代表的な地震対策に天つなぎという方法があります。
<天つなぎとは>
天つなぎとは、2つのスチールラックを向かい合わせで設置し、上部を天つなぎ材で固定する方法です。天つなぎをすると2つのスチールラックが一体の構造となるため、強度が増します。
<天つなぎの方法>
まず、スチールラックの天板に天つなぎ専用の金具を取り付け、天板にビス孔を開けます。次に天つなぎ材をそれぞれの天板に固定して完了です。
なお、天つなぎの方法は、スチールラックの種類やメーカーによって若干異なります。
・固定による耐震性向上
スチールラックを床や壁に固定することで、耐震性が向上します。
以下では、スチールラックを設置した際に行うべき壁固定と床固定の方法について解説します。
<壁固定>
スチールラックを壁に固定する際には、スチールラックと壁に穴を開け、金具を取り付けます。壁固定用の金具が同封されている場合もありますが、壁に固定するためのアンカー類やビスは別で用意する必要があります。
また、コンクリートとGLボードはアンカー固定、LGSボードはテックスビス固定およびITハンガー固定など、壁の下地によって固定方法が異なるため、よく確認しておきましょう。
<床固定>
スチールラックに金属製のベースプレート部材や床固定金具が備えてある場合は、その部材や金具を使用して床固定をします。
床固定も壁固定同様、床に固定するためのアンカー類やビスなどは別で用意する必要があります。
<アンカー固定>
アンカー固定とは、スチールラックをアンカーボルトで壁や床に固定する方法です。
アンカー固定は壁や床に穴を開ける必要があることや、レイアウト変更ができないなどのデメリットがありますが、耐震効果が高く転倒のリスクが大幅に低減されるというメリットがあります。
壁や床の材質によってはアンカーボルトを使用できないため、よく確認しましょう。
・地震対策に役立つアイテム
地震対策に役立つアイテムを3つご紹介します。
<キャスターストッパー>
キャスターストッパーは、スチールラックや機器などに付いているキャスターに取り付けるアイテムです。
キャスターストッパーを取り付けると、キャスター付きのスチールラックや機器が、地震発生時に思わぬ方向に動いてしまうのを防げます。
<免震装置>
免震装置は、地震の揺れを吸収する装置です。
スチールラックや機器と床の間に免震装置を設置することで、転倒や搭載物へのダメージを防げます。
免震装置は建物免震よりもコストがかからず、短期間での導入が可能です。
<落下防止器具>
落下防止器具は、業務用スチールラックに載っている物品の落下や飛び出しを防ぐ効果があります。
落下防止器具は、支柱に巻きつけて取り付けるタイプの落下防止ベルト(タナガード)と、金属製のバーをスチールラックの前面に取り付ける落下防止バーの2種類です。
どちらもベルトの接続部分の解除や開閉が楽であるため、作業の邪魔になりません。
■業務用スチールラックの配置も地震対策につながる
業務用スチールラックの配置方法も地震対策につながります。以下では、業務用スチールラックを配置する際の注意点やポイントについてご紹介します。
・背が高い家具を人がいる場所に置かない
背が高い家具をデスクや人の近くなどに設置すると、家具が転倒した際に人が巻き込まれるリスクが高くなります。
家具類はできるだけ人から離れた場所に設置したり、人の近くに置く場合は家具の背の高さを低くしたりするなどの工夫をしましょう。
・仕切りの代わりに設置しない
背の高いスチールラックを仕切りの代わりに設置しないようにしましょう。スチールラックを壁に沿わせないで配置した場合、転倒のリスクが高まります。
スペースや内装の問題で、仕切りの代わりにスチールラックを使用しなければならない場合は、複数の家具同士を連結させて配置しましょう。
・避難経路には設置しない
災害時の避難をスムーズに行うため、避難経路にスチールラックを設置しないようにしましょう。
避難経路に設置していない場合でも、スチールラックの転倒や積載物の落下で避難経路が塞がってしまう可能性があります。よって、スチールラックを設置する際は、避難経路を想定した動線を考えることが重要です。
・高所の収納は落下被害を考える
高い場所に収納する場合は、落下被害を考え、落下防止対策を行なっておきましょう。高い場所にものを収納すると地震発生時に落下する危険性が高く、大きなけがにつながる恐れがあります。
落下防止器具を使用したり人が少ない場所に設置したりなど、きちんと対策を施しておくことが大切です。
・他の什器と連結させる
スチールラックを他の什器と連結させると、お互いに支え合い強度が増します。また、床との接地面積が増えるため、転倒しにくくなります。併せて床固定や壁固定を施すことで、より強度を高められるでしょう。
・重いものは下に収納する
重いものはできるだけ下のほうに収納しましょう。重心を下げることでラックが安定し、揺れにくくなります。それだけではなく、揺れによって重いものが人の上に落下する危険も防げます。
・天板の上にものを置かない
天板の上に置かれたものは地震時に飛んでいく可能性が高いため、天板の上にはものを置かないようにしましょう。
天板の上に置きがちなダンボール、コンテナなどは専用の置き場をつくるのが得策です。
■業務用スチールラック以外に地震対策でやっておきたいこと
業務用スチールラックの地震対策だけでは不十分です。以下では、業務用スチールラック以外に地震対策でやっておきたい4つのことをご紹介します。
・BCPを策定する
BCPとは、Business Continuity Planningの略称で、緊急事態に遭遇した際の事業継続や早期復旧のための方法・手段を決めておく事業継続計画のことです。
BCPを策定しておくことで、地震だけではなくパンデミックやテロ、サイバー攻撃などの被害を最小限に抑えられます。
BCPの策定によって、緊急事態が発生した場合も事業の継続ができれば、自社の事業を守るだけではなく、取引先や顧客の信用も維持できるでしょう。
・防災マニュアルの作成
災害時はパニックに陥りやすいため、防災マニュアルを作成しておきましょう。
防災マニュアルに、災害時の役割分担や緊急連絡網、行動指針、従業員の避難経路などを明記しておくと安心です。
作成した防災マニュアルは、全従業員に周知しておくことが大切です。
・備蓄防災グッズの準備
災害時は従業員が帰宅困難になる場合があります。
万が一の備えとして、飲食物や毛布、医薬品などの備蓄防災グッズを用意しておきましょう。
・二次災害も考える
工場や倉庫で電気や火などを扱っている場合、二次災害として火災が発生する可能性があります。
災害時は二次災害を防ぐため、速やかに機材を停止させたり火の元を止めたりすることが大切です。普段から機材を停止させるスイッチの位置や、機材までの動線を確認しておくようにしましょう。
■まとめ
業務用スチールラックが倒れたり高い場所からものが落下したりすると、けがや物品の破損につながるため、地震対策は必ず行うようにしましょう。業務用スチールラックの地震対策以外にも、BCPの策定やマニュアル作成、備蓄防災グッズの準備などをしておくと安心です。キタジマでも耐震グッズを複数扱っていますので、地震対策をこれから行う方はぜひご検討ください。
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